星川歩「かぼちゃ族のお茶会」
集英社『ぶ~け』1980年4月号
眼鏡っ娘起承転結構造の作品である。本作で注目したいのは、少女漫画ヒーローの揺るぎない芯の通ったメガネスキーっぷりだ。
ヒロインの六月(むつき)は、眼鏡の自分に自信が持てない。
しかし、眼鏡っ娘が想いを寄せるモロさんは、実は大のメガネスキーだったのだ! 自分が作る理想のケーキ屋さんを思い浮かべると、そこにいるのは笑顔の眼鏡っ娘である。理想の眼鏡っ娘のイラストまで自分で描いてしまう。
しかしそんなメガネスキーの心を知らない六月は、モロさんに気に入られようとして、愚かなことに眼鏡を外してしまう。なんてこった!
周りには好評かもしれないが、もちろんメガネスキーはガッカリだ。モロさんは、改めて自分がメガネスキーであったことを自覚する。そして一方、自分を見失ってしまった眼鏡っ娘は、無理がたたって自己嫌悪に陥っていく。
自分を見失ってしまった眼鏡っ娘を救うのは、メガネスキーの信念である。メガネスキーの熱意が通じ、最終的に六月は眼鏡をかけ直す。二人は手を取り合って、夢に向かって走り出すのだ!
メガネスキーの筋の通ったブレない信念があるからこそ、眼鏡っ娘の本来の良さが引き出されるということが分かる作品である。私も、眼鏡っ娘の素晴らしさを伝え続け、エールを送り続けたい。
書誌情報
本編は48頁の短編。同名単行本所収。amazonではやたらプレミアが付いているけれど、古本屋を丁寧に回れば200円で発見できるような気がする。
■広告■ |
■広告■ |