この眼鏡っ娘マンガがすごい!第24回:市東亮子「やじきた学園道中記」

市東亮子「やじきた学園道中記」

秋田書店『ボニータ』1982年9月号~

024_02凛々しく戦う眼鏡っ娘というと、やはりまず真っ先に思い浮かべるのはキタさんだね。

篠北礼子、通称キタさんは高校生眼鏡っ娘。転校する先々で何故か一緒になる「やじ」さんこと矢島順子と一緒に悪いやつらをバッタバッタとなぎ倒す、痛快アクションマンガ。少女マンガ誌に連載されていたのに、不良とかヤクザとか少女マンガに似つかわしくないむくつけき者どもが画面を埋め尽くすが、それでも絶大な人気を誇ったのは、キタさんが眼鏡だったおかげだろう。

キタさんは、立ち居振る舞いがいちいち美しく、言葉の端々にキレがあり、キタさんが喋ると説得力がありすぎて周りもみんなさすが眼鏡っ娘だと感服する。かといって鉄面皮なわけではなく、感情豊かで人間味にもあふれている。もちろん強い。心の底から魅力的な眼鏡っ娘だ。全面的にカッコよすぎる。作品内でもキタさんはモテモテで、迫りくる女どもから身をかわすために散々に苦労するし、キモい男に言い寄られてしまって、男に触られると蕁麻疹が出る体質になってしまった。

まあ残念なことに、眼鏡を装着したままでの戦闘シーンはレアではある。学園生活や隠密行動の時には眼鏡をかけているのだが、戦闘シーンではもったいないことに眼鏡を外してしまう。そこで、キタさんの視力がいくつなのか気になって仕方がないのだが、プロフィール等を精査しても視力はわからない。顔の輪郭に光学屈折の形跡が見えないことから伊達メガネである疑いもあるのだが、ここは正確な視力が知りたいところである。ご存知の方がいたら、ぜひ連絡ください。(あと巨大眼鏡っ娘好きの方々には残念なお知らせだが、身長は169.5cmで、あと一歩で大台に届いていない・・・)

視力がわからなくとも、キタさんがクールビューティー眼鏡として第一人者であることには間違いはない。活動期間も極めて長く、アニメにもなったりして、眼鏡が凛々しく美しいことを世間に広く知らしめた功績は計り知れない。実際、キタさんのおかげでメガネ属性に目覚めた者は数多いのだ。たとえば蝉丸P氏とか
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■書誌情報

単行本全29巻。Ⅱは連載中。新刊で手に入るし、電子書籍で読むこともできる。

Kindle版:市東亮子『やじきた学園道中記』第1巻

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この眼鏡っ娘マンガがすごい!第7回:舟木こお「メロウ・シトロン」

舟木こお「メロウ・シトロン」

秋田書店『ボニータ』1978年7月号

主人公の倉本久里は、そばかすも気にしてしまう眼鏡っ娘。イケメンの王子様に恋をしたけれど、そばかすと眼鏡にコンプレックスがあって、とてもじゃないけど告白なんかできない。遠くから見ているだけで満足。しかし美人の友達から、メガネを外すとかわいいと言われて、ついその気になってしまう。

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しかし、めがねをはずすとかわいいなんて、友達が本気で言っているわけではない。適当に口からデマカセを言っているだけで、そんなデタラメを真に受けるとバカを見る。実際、久里はメガネをはずして頑張ってみるが、王子様が気にかけてくれるはずもない。勘違いしたままメガネをはずして頑張る久里に対し、王子様と同じ部活で頑張っている正直な風間くんが、世界の真実を教える。

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「久里っぺって、めがねはずすと、まのぬけた顔になるなあ」

そんな風間くんの正直な言葉に久里は逆上するが、それは誰がどう見ても間違えないようのない世界の真実だ。眼鏡っ娘がメガネをはずして美人になるわけがない。まのぬけた顔になるのだ。メガネをかけていたほうが、絶対にかわいいのだ! 風間くん、正解!

久里はメガネなしで頑張ろうとするが、王子様にふられ、正直な風間くんのまっすぐな言葉に救われて、ようやく世界の真実に気が付き始める。風間くんは、ふたたび久里にメガネをかけさせる。

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「やっと久里っぺらしくなった。にあうぞ」。そうだ、眼鏡っ娘は眼鏡をかけてナンボなのだ。眼鏡の自分を応援し続けてくれる風間君のおかげで、久里はコンプレックスを解消し、ありのままの自分を受け入れることができるようになったのだった。めでたしめでたし。
そして風間くんは、なんで久里にメガネをかけてほしかったのか。実は風間くんは子供の時に絵本で見た眼鏡っ娘に恋していて、そのキャラクターに久里がそっくりだったのだ。そう、風間くんは筋金入りの眼鏡っ娘好きで、その恋を現実のものとした勇者だったのだ! 世界は、こうあってほしい。

■書誌情報

単行本:舟木こお『あこがれかよい路』  (プリンセス・コミックス、1979年)に所収。

私が確認した時点では1,300円くらいにプレミアがついていたが、古本屋を丁寧に回れば100円で手に入るはず。ちなみに作者ご本人のtwitterアカウントをみつけてプロフィールを確認したら、ご本人はどうも男性らしく、作品が乙女チックの塊だったから、そこそこ驚いた。

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