きくち正太「三四郎2」
秋田書店『週刊少年チャンピオン』1990年~94年
元気印のパワフル眼鏡っ娘が大活躍する、ラブコメときどき下品な作品です。
まず特筆すべきは、ヒロインの眼鏡っ娘が圧倒的に超かわいい!ということです。まあ、表紙の絵を見ていただければ一目瞭然ではありますね。
ヒロインの名前は、姿三四郎です。山奥のド田舎で天真爛漫に成長した、素敵な眼鏡っ娘なのです。
初登場シーンの格好が、とてもキュートですね。
単行本に載ったプロフィールでは、視力が左右とも0.01であることが分かります。視力が分かるのは、とてもありがたいですね。
ちなみに山奥で育った三四郎がどうして近眼になったかは、作中で説明されることがありません。ただし、祖母が眼鏡をかけている描写が作中にあるので、遺伝的なものである可能性が高いように推測されるところではあります。
明治の眼鏡っ娘・晶子さんもとても素敵ですね。
さてそんな山奥で育ったヒロイン三四郎は、とても強いのです。全編を通じて、様々な達人たちとバトルを繰り広げます。凜々しい眼鏡っ娘は素敵ですね。
三四郎は、基本的に圧倒的に強いのですが、ほぼ唯一の弱点と言っていいのが、近眼です。どんなに強かろうと、さすがに両眼0.01では、眼鏡がなくては戦えないのです。眼鏡必須。
もちろん眼鏡を外して美人になることなどありませんので、ご安心ください。まあ、眼鏡を外して美人になるなど、物理的にあり得ないんですけどね。
とはいえ、作者が敢えて物理法則を無視するような描写を繰り返していることは、指摘しておきたいと思います。それは、お風呂やプールや海のエピソードに鮮明に見ることができます。
たとえば単行本の1巻では、お風呂に入るときに三四郎は眼鏡を外してしまうのですが。
「メガネかけてお風呂はいるわけにもいきませんし」という三四郎のセリフは、まあ、世間一般的には常識と見なされるかもしれないでしょう。が、しかし。この後、作者はその常識を覆していくのでした。そう、メガネかけてお風呂に入ったって、いいじゃないか!というわけなのであります。
たとえば海のシーンでは、眼鏡っ娘たちは全員メガネをかけたまま海に入っております。
そう、それでいいのです。お風呂だろうが海だろうがプールだろうが、メガネをかけたまま入ればいいのです。だってマンガなんだから。物理法則に従う必要なんて、ありませんね!
そんなわけでメガネの先生も、メガネをかけたままプールに飛び込みます。何の違和感もありません。
ちなみに本作には、ヒロインの三四郎以外にも数多くの眼鏡っ娘が登場します。嬉しいですね。
たとえば存在感があるのが、ヒロインたちの担任の教師、六本木ジュンコ先生です。
ということで、全方位に眼鏡な、尊い作品です。眼鏡っ娘がヒロインのマンガが、少年週刊誌で単行本20巻も出るほど続いたのは、本当にありがたいことです。後世にまで語り継いでいきたいと思います。
書誌情報
同名単行本全20巻。どうも残念ながら現在は新刊で手に入れることは難しい状況のようですが、古書で比較的容易に手に入るのではないかと思います。
基本的には「Dr.スランプ」と「うる星やつら」を足して2で割ったような、パワフル下品+ラブコメ風味で展開する作品ではありますが、丁寧に描写されたキャラクターが各自とても魅力的で、独特の世界をつくり出しております。まあ、若い人には分からない時事ネタがけっこう多いかもしれないですが、気にしなくても楽しめると思います。
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