委員長回顧(4)第4回:2006年8月26日

第4回から私が主催で仕切ることになりました。2005年に入ってからメガネ界を取り巻く状況が急速に転回したので、その状況を改めて確認し、メガネ界の将来の展望についてヒントを得られるように内容を構成していこうと考えました。
出演は、伊藤伸平さん(漫画家)、桜坂洋さん(小説家)、児玉さとみさん(声優)、西川魯介さん(まんが者)、野尻抱介さん(SF作家)、益子和隆さん(『ビジョメガネ』企画・編集)、水玉螢之丞さん(イラストレーター)、水野レイさん(人造図書委員長)。

第4回でまず特筆すべきことは、三次元眼鏡についての深まりです。『ビジョメガネ』企画・編集の益子さんのお話は、非常に新鮮で興味深いものでした。反射を嫌ってレンズなし眼鏡を使おうとした巨匠カメラマンに対して「反射も萌えの一部」と一歩も引かない姿勢、グラビアとして見せるための様々な工夫(日常観を出すためにスタジオ内での撮影は行わず、必ず屋外でシチュエーションを考える等)など、二次元にはない新しい視点をたくさん得ることができました。
三次元眼鏡の一般的な広がりを考える上で、『ビジョメガネ』は絶対に忘れてはならない作品ですね。

また、ガチSFの視点からメガネを考えたのも第4回の特徴です。野尻さんと桜坂さんから、未来の眼鏡についていろいろ話をしてもらいました。特にこの時点ではレーシックに対抗する必要が強く生じていたため、野尻さんの話は非常に心強かったです。
野尻さんは、未来においても眼鏡は確実に残ると主張しました。その理由は主に2つで、一つ目は人間の感覚器官が集中する頭部に装着するインターフェイスとしてメガネが優位性を持っているということです。たとえ仮に近眼が克服されるほどに科学技術が進歩したとしても、それと比例するように外部感覚拡張器としての眼鏡も発達し(たとえばドラゴンボールのスカウターのような機能がついたりする)、頭部に装着するメガネというアイテム自体がなくなることはないという予測です。
二つめの理由は、「文明/文化」の関係です。たとえばスペースコロニーは熱を放出するより吸収するのが楽なので、内部気温は高めに設定されるほうが合理的です。そうであればコロニー内では薄着になる方が合理的なはずです。が、機動戦士ガンダムなどを見ても、コロニー内でクールビズが流行しているようには見えません。なぜコロニー内でクールビズにならないか、その理由は「文明(civilization:普遍的なもの)/文化(culture:特殊的なもの)」の違いから説明できます。科学技術が進歩するのに伴って、文化も発達していきます。科学技術がスペースコロニーを可能にしたときも、服を脱ぐ方が合理的だからといって、発達した文化が服飾慣習を廃棄することはないわけです。この理屈から考えて、たとえ近眼が絶滅したとしても、メガネという文化が十分に発達していれば、メガネがなくなることはないわけです。

そしてこの後、かねてからの懸案であった鯖江との交流が具体的に始まり、「委員長」も新たな展開へと突入していきます。