この眼鏡っ娘マンガがすごい!第121回:つじ要「論理少女」

つじ要「論理少女」

講談社『月刊少年シリウス』2008年4月~11年2月号

眼鏡っ娘は知的である。実際、これまで私が調査した眼鏡っ娘キャラ1854人のうち、565人が知的キャラと設定されている。比率にすると30%だ。客観的なデータに照らしてみて、眼鏡っ娘が知的であると認識されているのは間違いない。
だがしかし。作品内で知的キャラと設定されていたとしても、読者が「この眼鏡っ娘は確かに知的だ」と納得できる具体的な描写があるかというと、それはまた別の話である。作者は自分の力量を超える知的なキャラを描くことはできない。知的なはずのキャラが「私にいい考えがある」と言ったとき、実際は死亡フラグが立っただけというケースも多い。実は、本当に知的な眼鏡っ娘キャラは、極めて貴重な存在なのだ。
本作は、その難しい領域に果敢に挑んだ貴重な作品だ。ヒロイン眼鏡っ娘=芝いつきは、「論理的に話しなさい」が口癖の知的少女。

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カッコよすぎる。眼鏡っ娘っぽさ全開のセリフ。自信満々にビシッと指を指す姿勢が素晴らしい。眼鏡っ娘にしてほしい仕草No.3である(当社比)。
そんな眼鏡っ娘だから、ファンも多い。密かにファンクラブも作られている。

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可愛くて頭のいいアイドル女子が8人いるという設定だが、そのダントツ頂点に君臨するのが眼鏡っ娘というのが、実に素晴らしい。

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腕を組んでこんなセリフ。これぞ眼鏡っ娘の極致。
そして本作が素晴らしいのは、単に設定上で知的としているのではなく、眼鏡っ娘が本当に知的に群を抜いて秀でていることを、具体的なエピソードを積み重ねて描こうとしている点だ。眼鏡っ娘は知的であってほしいという私たちの願いが、どストレートに表現されている。
それが本当に成功しているかというと論理的にツッコミどころがないわけではないのだが、そこはさして重要ではない。強く知的な眼鏡っ娘を生み出すというリビドーが溢れ出ている点が、真っ先に評価されるべきだ。「カイジ」のように人間性の汚い部分まで弄するような頭脳バトルに眼鏡っ娘を巻き込みたいとは、あまり思わない。知的眼鏡っ娘へのリビドーを感じつつも醜い人間性に踏み込まないという難しく狭い道を、本作は果敢に攻めているように思う。眼鏡っ娘には知的であって欲しいという願いとその描写の難しさが凝縮された作品である。

書誌情報

論理~論理~論理~ロリ♪たそがれロリータ(←40代以上限定ギャグ)。単行本全5巻。
単行本:つじ要『論理少女』第1巻、講談社、2008年

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