西川魯介「野蛮の園」
白泉社『ヤングアニマル増刊Arasi』2002年vol.3~05年no.4
「西川魯介が増えすぎた眼鏡フェチをマンガに描くようになって、既に四半世紀が過ぎた。西暦2002年、新宿ロフトプラスワンで開催されたトークイベントはメガネっ娘居酒屋委員長を名乗り、西川魯介に出演要請を挑んできた。人々は自らの行為に恐怖した。」
「眼鏡がただの萌え要素でないところを見せてやる!」
「魯介め! やるようになった!」
「見事だな。しかし小娘、自分の力で勝ったのではないぞ。その眼鏡の性能のおかげだということを忘れるな!」
「裸眼に比べ、我が眼鏡っ娘の数は30分の1である。にもかかわらず、今日まで戦い抜いてこられたのはなぜか。諸君、我が眼鏡っ娘萌えの目的が正義だからだ。これは諸君らが一番知っている。」
「眼鏡っ娘が嫌いな人がいるのかしら? それが眼鏡を外して滅びていくのを見るのは悲しいことじゃなくて?」
「なぜ魯介をエロに巻き込んだのだ!? 魯介はエロを描く人ではなかった! 貴様が魯介をエロに引き込んだ!」
「それが許せんというなら間違いだ。」
「な、なに?」
「エロがなければ魯介の眼鏡への目覚めはなかった。」
「それは理屈だ!」
「しかし正しいものの見方だ。」
「魯介は自分がいかに危険な人間か分かっていない。野蛮の園は、眼鏡っ娘萌えの有り様を素直に示しすぎた。」
「だから、なんだと言うんだ!」
「人は、流れに乗ればいい。だから私は、野蛮の園で抜く!」
「屈折リーベで魯介が言った、眼鏡っ娘は抜くための道具ではないって。」
「今という時では、人は眼鏡っ娘をエロの道具にしか使えん。魯介はエロを描く運命だったのだ。」
「貴様だって、眼鏡フェチだろうに!」
「えぇい、なら同志になれ。そうすれば魯介も喜ぶ。」
「正気か?」
国民よ!
悲しみを萌えに変えて立てよ、国民よ!
眼鏡っ娘こそが選ばれた民であることを忘れないでほしいのだ!
優良児たる眼鏡っ娘こそ、人類を救い得るのである!
ジーク眼鏡っ娘! ジーク眼鏡っ娘!
書誌情報
同名単行本全3巻。「僕がいちばん眼鏡っ娘をうまく描けるんだ。」
【単行本/Kindle版】西川魯介『野蛮の園 1』白泉社、2003年
【単行本/Kindle版】西川魯介『野蛮の園 2』白泉社、2004年
【単行本/Kindle版】西川魯介『野蛮の園 3』白泉社、2005年
■広告■ |
■広告■ |