この眼鏡っ娘マンガがすごい!第153回:石井まゆみ「フラッシュ・バック」

石井まゆみ「フラッシュ・バック」

集英社『ヤングユー』1999年8・9月号

オフィスで働いている、あまり目立たないけれども地味に有能な眼鏡さんって、素敵だと思いませんか。私は素敵だと思います。洒落っ気が薄くて丈の長いスーツで、髪を無造作に束ねているだけの眼鏡さんを見ると、全力で応援したくなりませんか。私は全力で応援したくなります。
そんな眼鏡さんを描かせたらピカイチなのが、本作の作者、石井まゆみなのです。

ああっ、仕草がとてもかわいいですね。
そしてそんな眼鏡さんは、密かにめちゃめちゃ有能なわけです。そして有能なのに、それをまったく鼻にかけない、素っ気ない態度も、たまらないんです。

しかしなんと、ただの派遣社員かと思われた眼鏡さんは、実は物の怪を払う秘密の力を持っているスーパーヒロインなのでした。裏のミッションをこなした眼鏡さんは、たくさんのファンを作って、どことも知らず颯爽と去って行くのでありました。掴み所がないのも、眼鏡さんの魅力の一つかもしれません。

ヒロインの九十九さんは、ビジュアル的にも素晴らしいのです。というのは、少女マンガ伝統のズレ眼鏡を正統に引き継ぎつつ、アダルトな魅力を醸し出すビジュアルに進化しているからです。このタイプの眼鏡さんを描かせたら、石井まゆみの右に出る人は、そうはいません。

表紙が眼鏡レスなのが、返す返すも惜しまれるところではあります。残念。でも、中表紙見返しの眼鏡姿など、惚れ惚れとします。今後も格好いい眼鏡さんを、どんどん描いていって欲しいです。

書誌情報

同名単行本に収録。本編は80頁の中編。講談社時代には眼鏡を外して美人になって幸せなどという残念な作品も描いているけれども、集英社時代の作品は、代表作「ロッカーのハナコ」さんを初めとして、かなり眼鏡力が高い作家さんです。
【単行本】石井まゆみ『フラッシュ・バック』集英社、1999年

 

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